白色申告と青色申告、本当はどっちがお得?

確定申告といえば、まず白色申告か青色申告かを考える必要があります。おそらく一般的には「青色の方がお得だけど手間がかかる」といったイメージでしょう。また、収入が高いなら青色申告にした方が良いとも言われていますが、実際の所どうでしょうか。

白色申告のメリット

白色申告のメリットを見てみると、やはり簡単に作成出来る点が挙げられます。青色申告の場合、いわゆる複式の帳簿になりますのでそれなりに知識が必要になります。その分税制上のメリットもあるのですが、確定申告作業そのものが簡単だというメリットはあるでしょう。
また、申告が必要ありません。青色申告する場合、事前に青色申告すると届けておく必要があります。届出が拒否されるようなことはありませんが、手間はかかります。その点白色申告は許可など不要ですので、年度末になれば確定申告を受ければ良いだけです。また、白色申告ではあっても不要、医療費や経費といったものは記入欄がありますのでしっかりと落とすことが出来ます。青色申告程の控除はありませんが、そこまで節税するつもりもなく、所得も多くはないのであれば白色でも十分との声もあります。
例えばフリーのエンジニアの場合、経費もそうそうかからないでしょう。業種によって所得の大半が経費の人もいるかもしれませんが、逆にほとんど経費がかかっていないようなお仕事もあるでしょう。それでいて収入がそこまで高くはない場合、確かに白色申告で十分との考え方も不思議ではありません。

青色申告のメリット

本格的に事業を展開しているのであれば「青色申告の方が良い」ではなく、青色申告一択でしょう。税制上のメリットばかりがクローズアップされていますが、減価償却など、年をまたいだ計算が可能なだけに、白色申告とは比べものにならないメリットがあるのです。
確かに帳簿の作成は少々手間がかかるものではありますが、年度末に一気に行おうと考えるから面倒に感じるのであって、毎月コツコツと行っておけばそこまでの手間ではありません。経費の部分だけ計算しておいたり、近年では会計ソフトの質も高まっていますので数字を入力するだけでほとんど半自動で確定申告書類の作成が可能ですから、青色申告と白色申告に於いて「書類の作成難易度」という点ではそこまで大きな違いではないのです。つまり、青色申告にしておいた方が無難なのです。

収入の制限などありません

 

青色申告の方が良いとは分かっていても、収入が高くなければ青色申告は出来ないんじゃないかと誤解している人も多いのですが、決してそのようなことはありません。青色申告で必要になるのはあくまでも届出のみです。収入の額によって決まるのではなく、予め税務署に届出を行っていたのかどうかという点だけしか問われませんので、実際の所、そこまで大問題ではないのです。
但し、その届出は税務署に赴くことになりますし、確定申告が始まる前までにしっかりと行っておかなければなりません。ここがある意味最もハードルが高いでしょう。確定申告が迫ってきて、「今回は青にしちゃおう」とか、「今回は白でいいや」ではなく、届出をしていなければ自動的に白。届出を行っていれば青。このような区分けになります。
どちらが得なのか、いろいろと見てみると収入が300万円以上であれば青色の方が良いとの声もあるのですが、これもあくまでも目安です。経費の多さ等によっても変わってきますが、基本的には青色申告にしておいた方がメリットは大きいです。

青色申告は難しいのではないかという疑念

青色申告はどうしても「難しそう」なイメージがついているのですが、先にもお伝えしたように自動会計ソフトも高性能化していますし、分からないことがあれば税理士に相談するのも手です。また、近年はインターネット上でも確定申告に関する様々な情報を得られます。
確定申告書類の作り方を丁寧にレクチャーしてくれている所とて決して珍しくはありませんので、そもそも「青色申告=難しい」が、既に過去の話だと分かるでしょう。但し、繰り返しになりますが届出を行っていなければ知識があっても、青色申告作成のためのソフトを導入していたとしても結局は白色で申告することになりますので気を付けましょう。

まとめ

青色申告と白色申告は、青色申告の方が断然メリットがあります。白色申告のメリットは簡易さ程度ですが、確定申告によって次年度の保険料や市県民税が変わるのです。「簡単だから」よりも、それらのために少しでもお得になる方を選んだ方が長い目で見れば得なはずですよ。

takuto

takuto現役・独立系ファイナンシャルプランナー

投稿者プロフィール

大学卒業後、地元のハウスメーカーに就職。3年後、ファイナンシャルプランナーに転向。
携帯料金の見直しから、相続の相談まで幅広くメリットを出すうちに、紹介が紹介を呼び、多いときで月に100件以上の打ち合わせを行うことも。
「知らずに損しているを無くす」をモットーに、ライフプランをもとにした貯金の考え方や節約術、お金の管理運用などのアドバイスを行っている。

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